ある時、友人のヒゲゴリラが面白い話を教えてくれました。

「昔々のそのむかし、ヒトには翼が生えていて、どこまでも自由に飛んで行けたんだ。でもヒトはその能力を自慢するようになり、次第に傲慢になっていった。そしてついに神の怒りに触れ、ヒトは神に翼をもぎ取とられてしまった。」

ダーウィンもまたお怒りである。

「でも、神は翼を完全に無くしてしまうのは少し惜しい気がしていた。ヒトは時に傍若無人で手に負えない。でもそのエネルギーあふれる行動を神は楽しみにもしていた。そこで神はヒトの身体にわずかながら翼を忍ばせることにした。それが肩甲骨なんだ。」

ダーウィンはもう許してくれない。

「ヒトはみんな翼を持っている。その翼で大空を飛び回ることはできないけど、大地を飛び跳ね、身体の自由を楽しむには十分すぎる。ただ、みんな翼の広げ方を知らないだけなんだ。翼を上手に使えるヒトだけが、この地球上で身体の自由を楽しんでいる。」

なるほど、『肩甲骨は翼のなごり』とな。熱の入った講演の後は、ヒゲゴリラ先生の「翼を広げるレッスン」へ

"胸を軽く張り、あばら骨を上に引き上げる"

 

おっ、翼が現れた。

翼を広げるヒヨコ